2021年3号「技能と技術」誌305号
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図6図7図8-15-れは新型コロナウイルス感染症の影響で,企業の採用活動が例年に比べ低調だったことが要因である。また,毎年生徒が多数参加するハローワーク主催の合同面接会も昨年はすべて中止となったことも追い打ちをかける形となった。次に,令和2年度の就職者77人の就職先の内訳についてであるが,図8のとおりとなっている。障害者の就職活動はまず大きく2つに分かれる。障害者求人と一般求人である。さらに一般求人に応募する際には,自分の障害を公開(オープン)にする場合と非公開(クローズ)にする場合がある。それぞれメリット,デメリットがあるが,生徒と丁寧に面談を重ねるうちにほとんどの生徒が自分の障害を公開して就職を目指すようになっている。就職者77人のうち一番多いのが障害者求人(64人,83.1%)を利用しての就職で,その内訳は一般企業等(51人,66.2%)と特例子会社(13人,16.9%)に分かれる。次いで公務員(6人,7.8%),就労継続支援事業A型(4人,5.2%),一般求人(クローズ)(2人,2.6%),自営(1人,1.3%)と続く。障害者求人は,障害者だけが応募できる求人で,採用前に職場実習を必須としている企業も多く,訓練中に職場実習を体験することができるのがメリットである。実習終了後には企業から詳細な報告書が送付される。企業は生徒の障害特性を事前に理解することができ,就職後のミスマッチを解消することが期待でき,一方生徒は適性や就職後のイメージをつかむことができるので,残念ながら不採用となってしまった場合でも,実習の振り返りをして次の就5.2. 企業人事担当者の当校見学,個別求人問い合わせへの対応過去5年間の来校企業数と来校者数の推移は図6のとおりとなっている。過去には約140社,約250人の人事担当者が求人相談に来校している。近年は新型コロナウイルス感染症の影響で来校企業数,来校者数ともに減少傾向にあるが,電話での問い合わせも多数きている。初めて障害者を受け入れる企業からの問い合わせは具体的で,時には急を要する相談もあり,当校の就職担当職員が長年の経験と実績を踏まえて丁寧に対応している。これがきっかけとなり,相談校内企業説明会への参加や職場実習受け入れにつながることも多い。当校生徒の過去5年間の就職率の推移は図7のとおりとなっており,ほぼ80%で推移している。令和2年度は80%を大きく割り込んだ結果となったが,こ6.生徒の就職

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